心の旅

世界一周、絶対走破してやるぞ!

27歳の青年が、4年の歳月をかけて自転車で世界一周を目指す!彼の名は「伊東心」さん。今回より彼の見た世界の情景、現地の人たちとのふれあいを、「心の旅」として連載していきます。旅先で起こるステキなドラマをお楽しみください。

2005年12月3日、博多港を出発!

心の旅のはじまり

心の旅 12月4日、対馬より真っ暗な海の向こうに瞬く韓国・釜山の街灯りを望む。高ぶる気持ちを抑えきれず「絶対!走破してやるぞぉ!!」と叫ぶ。…それから20日、中国・北京を目指して走っています。最初の訪問国の韓国では地元の人々とふれあう余裕もなく、刻々と変化する環境と重い自転車に慣れることに精一杯でした。中国に入って余裕が出てきたため、旅の物語はここ、2005年12月26日から始めたいと思います。

とある一日~中国・国道102号線にて~

心の旅  08:30職場や学校に向かう自転車の列に混じり、北京を目指して国道102号線を疾走。周りの人々は真っ白な息を吐きながら、黙々とペダルを踏んでいます。大陸に渡って以来、寒さに対しての耐性はついたのですが、基本は九州男児。雪国生まれの人にはかないません。氷点下10度以下がめずらしくない場所では、「寒い」より「痛い」という表現がピッタリで、息をするだけで喉が痛くなるほどです。
そんな慌ただしい中で私の存在に気づく人は多くありません。異国で一人ぼっちという寂しさを感じつつも、朝の慌ただしさは「万国共通なのか…」と小さな発見。
 通勤通学ラッシュを抜けると、国道は再び人気の少ない田舎道に戻ります。たまに重そうな荷物を積んだ3輪自転車を追い抜き、猛スピードのトラックや乗用車に追い抜かれるだけです。唯一私と同じ速度なのは、日本では見かけなくなった3輪トラック。静かな田園風景の中、懐かしい単気筒エンジンの音を響かせ、時速20kmで一緒に走ってくれます。ボンボンボン…牧歌的だなぁ。

自転車旅行世界的人(自転車で世界旅行をしている人)

心の旅 11:30再び人通りが増え始めます。中国では、学校も職場も2時間前後の長い昼休みがあります。陽光が心も温めてくれるお昼時、私の姿に気がついた人々が、通り過ぎるまでけげんな表情で凝視。時には自転車で追いかけてくることがあり、背中の気配を察して止まると、まじまじと私を見つめています。
つたない中国語で、「私は日本人です。自転車で世界旅行をしています」と話しかけてみる。すると言葉が通じたのか、「なんだ、日本人か。そうかそうか、頑張れよ!」と破顔一笑(顔をほころばせて、にっこり笑うこと)。この一瞬の喜びが旅の醍醐味です!
 追いかけてくるのは自転車だけではありません。バイクに乗用車、時には大型トラックまで!うれしいのですが、毎回立ち止まって話していては先へ進めません。そこで道行く人に私が何者であるのか、理解できるように『自転車旅行世界的人』(自転車で世界旅行をしている人)という札を荷台に付けてみました。すると、効果てきめん!!いや、むしろ呼び止められる機会が増えてしまいました!これには参りました。

地元の人たちとのふれあい

心の旅 昼食はたまに通過する市場やバス乗り場前の屋台で済ませています。1杯2元(約30円)程度の麺料理が多いですね。日本では考えられない安さです!やはりこういう場では店の人やお客さんにスグ話しかけられます。食べてる時間より話している時間が圧倒的に長く、「いっぱい話したい」、でも「早く進みたい」という、日々そのジレンマとの闘いです。
17:30陽が沈み、闇が訪れる前に宿を見つけなければなりません。この時間帯はいつもドキドキで、この日も暗くなってきたところで旅館を発見。…よかった~、この時期の野宿はあり得ませんから!そして、宿のおかみさんらが1日の最後の話し相手になるわけです。

サイクリストの宿

こんな場所で寝泊まりしています

心の旅韓進荘(ハンジンジャン)ホステル。韓国・慶州の世話好きで日本語と英語が達者なおやじさんが経営。1泊25,000ウォンを20,000ウォン(約2,400円)にまけてもらいました

心の旅東元飯店。中国・唐山市郊外で宿泊。主にトラック運転手向けの簡素な宿泊所です。3人部屋を1人で使わせてもらい、管理人も感じの良い人たちでした。1泊15元(約220円)

心の旅自前のテント。一番お世話になる宿でしょう、確実に…。氷点下ではあまりキャンプしないつもりです。その他、招いてくれた地元の人の家にも泊まっています。これが一番ありがたいですし、うれしい宿。テント自体の重さは1,680g。何泊でも無料です(笑)

心の旅自右衛門号
この旅の相棒、『自右衛門号』です。変な名前と思われるかもしれませんが、由来はフレームが日本製で、全体の色合いが和風だったので。色々と考えたのですが「自(転車)右衛門で良いかなぁ」と決めました。本体部分のフレームはクロモリという鉄の合金で、凸凹の路面を走行する際、衝撃をフレーム全体が吸収してくれます。

中華人民共和国

People's Republic of China

通貨/元(1Y=約15円)
首都/北京
人口/約13億人(日本の約10倍)
面積/約960万km2(日本の約26倍)
人種/漢民族(総人口の約92%)と55の少数民族
言語/中国語(北京語・上海語・広東語など)
宗教/仏教・イスラム教・キリスト教など
備考/世界一の人口を誇り、ここ数年の経済的な発展がめざましい。歴史的な遺産も数多く存在するため、日本人観光客も多く訪れている。
河北省(かほくしょう)/ 省都は石家荘。北部には万里の長城の起点である山海関がある。漢族、回族、満州族、モンゴル族、朝鮮族などの民族が暮らしている。渤海湾に面する秦皇島は良港として有名で、漁業も盛ん。また、トウモロコシや綿花の生産でも有名な地域。内部には「北京市」、「天津市」がある。

「こころ」さんの今後の予定

湖北省・宜城市から沙市を通過後、連州へ向けて南下し、香港を目指します。

心の旅伊東 心 (いとう こころ)
1978年11月15日生まれの福岡県出身。大学在学中に16ヵ月に渡って海外を巡る。卒業後、旅行会社に就職し、中近東・北アフリカエリアを担当。今回の旅の準備のため05年5月退職。現在までに世界40ヵ国以上をまわる。

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ワールドジョイントクラブ編集部
092-725-1442